およそ半年かけて準備してきたタビストロ、梅雨の晴れ間の爽やかな週末に開催することができました。
なんとなくいつもと違う雰囲気の店内に入ったお客さまはみなさんわくわく顔で、楽しみにしてくださってるのが伝わってきました。
アミューズのプティシュー、かわいいです。シェーブルと仔羊のコンフィーを挟んだシューをのせた小舟のような小皿ははし置きとして使ってもらったあと、おみやげとして持ち帰ってもらえるよう準備しました。
ひとつひとつがアートピースとして成立するようにと、こつこつ作りましたが、たくさんあるパターンの中から適宜チョイスして出したものが予想外にお客さまの好みとマッチすることも多かったようで…例えばエッフェル塔好きの方に灯台など…おみくじ的に楽しんでもらえたと言うのは予想外でした。同じイワシちゃんのものでも他の方に出されたものと表情が異なるのを見とっても、自分の席にきたものが気に入ったと喜んでもってかえってくれたり…交換こされるケースはほとんどなく、みなさん喜んで持って帰ってくれたのを見ると、ちまちま&こつこつの作った甲斐があったとニンマリ。
このはし置き小皿。小さいけど結構手がかかるうえにたくさんつくらなければいけなくて…くじけそうになった私は、春休みに遊びにきた高校生男子やGWにお出かけしないからと言う近所の中学生女子にと、いろんなかわいいちゃんたちにお手伝いしてもらいました。おかげで何だか楽しかったわ。ありがとう💓 お料理に使ったハーブはシェフと私がそれぞれ育てたものを使い、
食べられるお花を畑で育てたり…知人のお庭や畑からいただいてきたりと。みんなが協力してくれたおかげで、カラフルな奇跡がおきました。ふふふ、テリーヌに使うパプリカは真っ黒焦がしで皮をむいて…
お花畑な演出も抜かりなく。私が描いた絵の上にシェフが食材で絵を描いていく…この感じ。こんな風に作品を活かしてくれるのを一緒に楽しめるなんて本当にしあわせ。お客さまの反応も面白くて、6種類あるお皿の絵が早く見たくて上のお料理を上下に移動する方もいて…笑イベントだからと、パンも今回は特別バージョン。サワー種を作ったカンパーニュは好き嫌いがはっきりしているので普段は作ることがないタイプのパン。プロバンスの食卓をテーマにする今回のイベントでは、ある意味悲願というか…笑
1回目に焼いてくれた時、試食した私たちの複雑な思い…うっすらいい感じはするけど、大丈夫か??「なんとなく素人臭い」と私(←ヒドイ)。いやでも、共同主催者としては責任がありますから。リベイクしたものもしないものも何回も香りをたしかめてはほうばってみての感想。と言うわけで、それから1週間シェフはレシピと焼き時間などを少しずつ変えて毎日焼いてました。
そしてその成果を発表してくれたのが上の写真。1回目2回目3回目そして4回目!ん!味が変わった!キラッと私の目が光ったのをシェフも見逃さずにっこり。付箋に書かれている内容はといえば水の分量と焼き時間だけなのです。つまりそこの違いが大きな味の差を生むと言うこと。あとはお客さまの好みにどう合わせていくか。完成度が合格ラインに達した4回目5回目、違いは焼き時間5分だけ。この5分でグッと香ばしさと歯ごたえが増します。5回目が好みだけど、硬いかなぁ〜と悩ましいところですが、やっぱり1番美味しい選択をすることにしました。
メインに添えるパプリカのソースとの相性が抜群なので、少し硬めでもソースにつけて食べてとおすすめしようと言うことで着地したのでした。
メインの付け合わせに「間引きコーン」を置いたらかわいいと、シェフがこだわってくれました。生産農家さんが高齢になり市場に出るとは限らない事情があり、どうかなぁと心配していましたが、メインの試作の日に行ってみるとにこにこ顔で「コーン入りますよ!」とシェフ。仕入れ先の八百屋さんが生産農家さんまで直接交渉に行ってくれてようで、こんなこといろいろが私をさらにわくわくさせてくれました。
あ、あとメインのもうひとネタ。ひよこ豆のパンケーキ!南フランスはアラブの影響を受けてきた歴史からか、ひよこ豆がお料理に使われます。ひよこ豆の粉を使って薄くやいたクレープ様なものがソッカと呼ばれ、黒こしょうをたっぷりかけていただくのが伝統的なようですが、今回は仔牛のオーブン焼きと一緒に出そうと言うことになりました。ひよこ豆の粉が手に入らなかったので蒸したひよこ豆を使ってパンケーキにしたものをお肉の下に置いたのですが…何というか口に入った時に感じる要素が多すぎて。冷静に分析すると、パンケーキがしっかりしすぎてヘタなお好み焼きみたいな(←これもヒドイ)…結局、生地につぶしたひよこ豆を混ぜ、プラスたっぷりのミルクで柔らかい食感のクレープに仕立てることになりました。
これ、なかなかいい感じでした。
↑マルベリーを摘んで↓デザート用に。5月6月はうちの庭や畑に美味しいちゃんがたくさん実ります。小鳥ちゃんたちと早起き競争に必死な収穫の時期。毎朝畑に行って熟れ具合を確かめたりお天気をチェックしたり。一番良さそうなタイミングで収穫してすぐにボンチーノに届けました。するとその日のうちにジャムに。ものすごいいい連携でした。地元仲間とのコラボ、お花や植物の状態を確認して相談してができる関係でした。お互い違うジャンルであったことも楽しくて学ぶことがたくさんありました。
最後の回はみなさん別々にこられた方ばかりなのに、なぜかみんなでわいわいもりあがり。お料理の話に焼き物の話、旅の話にと本当に楽しかったー!最後の最後のお客さまファミリーと一緒に記念撮影して、心地よい満足感でタビストロはまくをとじました。
ありがとう
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